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清泉日記

201211.15

No19「学級通信より『感動がつくる人生』」

 秋が訪れたと思ったら、もう微かに冬の気配。時の流れの早さに驚くばかりです。進路選択の大切な時期、皆さんはどのような思いで過ごしているでしょうか。

muku1.jpg 今回は進路選択に関して、一つ参考になる本を紹介したいと思います。それは、作家椋鳩十さんの『感動は心の扉をひらく  しらくも君の運命を変えたものは?』という本です。椋鳩十さんは長野県下伊那出身の方なので皆さんもよくご存じかもしれません。ちなみに大学を卒業した後は鹿児島に移られ、教員生活をしながら執筆活動をして、鹿児島県立図書館長を務めた方です。そのため、私はてっきり鹿児島の方だと思っていました。『マヤの一生』、『大造じいさんとガン』等、聞き覚えのある作品を多数執筆しています。図書館長としても、『母と子の20分間読書』運動を全国的に推進した方です。私も幼い頃、母によってその恩恵に与りました。

 そんな椋鳩十さんが、「いかに生きるべきか」「いかに学ぶべきか」について語った内容を書籍化したのがこの作品です。「動物に与えたふしぎな力」という章からはじまります。椋さんは、動物の描写が優れていることが特に評価された方ですので、世界各地の動物がいかにユニークで、また様々な能力を持っているかということが興味深く語られます。

 具体的には、アフリカに生息するコウモリが、水中の魚を超音波で捉えて捕獲する話や、身近なところではトカゲのシッポが切れたあとも動くことで身を守る話など、動物に与えられている不思議な能力について語られます。しかし、その章の最後はこのような文章で締めくくられています。「大自然というのは不思議なもんだねぇ。全部に何等かの力を与えておるんです。何らかの力を与えられない動物なんていうものは一つもおりません。(中略)ところがおかしいね、大自然というのはいろいろないたずらをするね。人間に与えた力と、動物に与えた力とはまた違うんです。動物はね、トカゲならトカゲ、その一種類が、何千匹おろうと、おんなじ力しか出ないんです。」そして、「人間に与えた不思議な力」という次の章で、「ところが、人間というのは全部個性がある。全部個性が強い。」と語り、動物に比べていかに人間という存在が一人ひとり豊かな個性と才能が与えられているかということを考えさせます。

確かに、そう考えると、人間とは不思議な存在です。人間の持つ能力や才能は多種多様に分かれています。生涯を一つの研究に捧げ、顕微鏡を覗いて生きる人もいれば、人前で歌を歌ったり楽器を演奏したりして楽しませる人がいます。人と関わることで商いをする人がいれば、一日中物と関わる職人や農作物や自然と向き合う農家の人がいます。同じスポーツ選手でも、早く走るのが得意な人もいれば、ボールを遠くに飛ばすのが得意な人もいます。そう考えてみると、人間の個性とは本当に幅広く、限りがないものです。

椋さんは語ります。「どういう力があるかということは、全然わからん、母親でも。だれにもわからん。じゃ、いつわかるかというとね、そういう力が何かの機会で出てきたときに、(中略)初めて驚くんです、出てきたときに。それまではわからん。ところが全部持っておるんですよ、才能を。心の底の方に。」それではどうしたらその才能が出てくるか。それは本の題名にもあるように、「感動」がその才能を引き出すそうです。皆さん、最近何かに感動しましたか?自分が「感動」するところに、自分の宝が隠されているのかも知れません。「感動」がわたしたちの人生をつくります。

(写真出典:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A4%8B%E9%B3%A9%E5%8D%81)

<担当:広報部_N>

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