メニュー

お知らせ

News 校長講話

校長講話

202212.05

2022年⑧ 放送朝礼

ロシアによるウクライナでの戦争で、ロシアの大統領は、予備役の徴兵を決め、多くの人が招集されています。一方で、戦地へ派兵されてしまうことを避けるために、国外へ脱出を試みようと、国境に向かって人々が移動していることが報道されています。
誰もが戦争を望んでいるのではありません。情報がコントロールされているロシアであっても、人々は、この戦争が意味のあるものとは感じていないのかもしれません。
私たちは、日本にいると、ニュースで見ている話題として、もしかしたら、自分事のように感じないかもしれません。でも他人事に感じることがあってはなりません。
今から80年ほど前の日本はどうであったのか。私自身も生まれる前のことですから、直接知っているわけではありません。
以前ある会議でお世話をしてくださった、ある神父様の文章を、最近読みました。その内容の一部を皆さんに紹介したいと思います。
この神父様が小学校1年生のころ、当時は国民学校と呼ばれていましたが、叔父さんの家に親族が集まっていたそうです。
徴兵され、出征前夜の送別の宴会を夜遅くまで開いていました。子供でしたから、早く寝込んでしまい、夜中に便所に行くと、うなり声が聞こえて、見てみると、出征する叔父さんが縄でぐるぐる巻きにされ閉じ込められていたのだそうです。
驚いて、お母さんを起こして知らせたのですが、何かを諭されて、再び眠ったそうです。
その後のことは忘れてしまったそうですが、一枚の写真が残っていて、その写真には、大きな日章旗ののぼりを背景にして、うなだれ気味の叔父さんが多くの人と写っています。「天皇陛下万歳」と唱えた記憶があるそうです。
後に、お母さんから教えてもらいました。出征前夜の宴会の時に、叔父さんは酔っぱらってしまい、叫び、暴れまわったそうです。
「戦争に行きたくない、人を殺したくない。」
お父さんたちが縄で縛り黙らせたのだそうです。
それが、神父様がその叔父さんと会った最後でした。そのあとは、戦地からの写真を見ただけでした。山羊とにこやかに写っている中国からの写真。戦車の上で写っているフィリピンからの写真でした。
叔父さんの戦死の知らせを受けたお父さんが、泣くのを見たことをなかったお父さんが、嗚咽で、背中が震えていたそうです。

今の日本は平和でよかったなと思うでしょう。でも、この平和がどのような犠牲のもとに築かれたのか私たちは知っていくことが必要です。平和を守ること。戦争になっては絶対にいけません。

Contactお問い合わせ

お気軽にご相談ください。

Tel.026-234-2301

Fax.026-234-2303

error: Content is protected !!