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校長講話

201508.27

校長講話_30「奈々子に」

IMG_5423.JPG 夏休みがあっという間に終わってしまったと思う人、部活を頑張ったという人、何もせずにゆったりと時間を過ごしたという人、あるいは旅行をしてきたという人、それぞれがその人ならではの夏休みを過ごしたことでしょう。

 さて、今朝は皆さんに詩を一つ紹介したいと思います。その前に少し、お話をします。

 長野清泉では、この10年間、毎年夏休みに、「いのちへのまなざしを深めるために」というテーマのもと、ワークショップを行ってきました。今年も2年生、59名が参加して、2日間ワークショップが行われました。

 初日は、「いのちへのまなざしを深める」ということを、机の上の勉強ではなく、ロールプレイやディスカッションをしながら、体験していきます。先生方も参加しての真剣かつ楽しい学びのひと時となりました。

 このワークショップを始めるにあたって、講師の内山二郎先生が一つの詩を読んで下さいました。実は、私もその詩が好きで、以前クラスで何回か読んだことがあったので、色々なことを思い出しながら内山先生の朗読をお聞きしました。今朝はその詩を紹介したいと思います。

 偶然ではありますが、昨年の夏休み明けの放送朝礼でも吉野弘の「夕焼け」という詩を紹介しました。バスの中で席をゆずる女の子についての詩でした。先日、内山先生が朗読して下さった詩も、吉野弘の詩で、自分の娘が誕生した時に、その娘に向けて作った詩です。詩の中には、「自分を愛する」という言葉が繰り返し出てきます。吉野弘は娘に何を望んだのか、そのことをちょっと頭に置いてお聞き下さい。ではお読みします。

「奈々子に」

赤い林檎の頬をして/眠っている 奈々子。

お前のお母さんの頬の赤さは/そっくり/奈々子の頬にいってしまって
ひところのお母さんの/つややかな頬は少し青ざめた
お父さんにも ちょっと/酸っぱい思いがふえた。

唐突だが/奈々子/お父さんは お前に/多くを期待しないだろう。
ひとが/ほかからの期待に応えようとして
どんなに/自分を駄目にしてしまうか/お父さんは はっきり/知ってしまったから。

お父さんが/お前にあげたいものは/健康と/自分を愛する心だ。

ひとが/ひとでなくなるのは/自分を愛することをやめるときだ。

自分を愛することをやめるとき/ひとは/他人を愛することをやめ
世界を見失ってしまう。

自分があるとき/他人があり/世界がある。

お父さんにも/お母さんにも/酸っぱい苦労がふえた
苦労は/今は/お前にあげられない。

お前にあげたいものは/香りのよい健康と
かちとるにむづかしく/はぐくむにむづかしい/自分を愛する心だ。
(文中の「/」は改行を示します。)

吉野弘の「奈々子へ」という詩です。読書の秋、機会があったら、吉野弘のそのほかの詩も読んでみて下さい。

(8月26日、放送朝礼より。写真:8月18日ワークショップ、講師、内山二郎氏。)

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