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校長講話
202510.30
2025年10月30日校長講和 嘘
学校生活には、様々なルールがあります。ルールの中には、皆さんの安全のために定められているものもあれば、皆さんの学校生活が快適になるために設けられたものあれば、皆さんが清泉生としてふさわしい行いを求めているものもあります。
いつの時代、どこの学校でもそうですが、このルールを破ってしまい、あるいは、このルールを破りそうになるところで、教員にそれが見つかってしまい、指導を受けることがあります。
皆さんのなかにも、指導を受けたことがある人がいるでしょう。ルールを守れなくて指導を受けることは、先ほど言ったように、今に限らず、昔から、どのような学校でもあることです。清泉でも同じです。そのようなことはないに越したことはないのですが、実際には起こることですし、そのような生徒が悪い生徒だと言いたいわけではありません。
話したいことは、皆さん一人ひとりが、良い生徒です。良い生徒なのですが、でも、良い生徒であっても、悪いことをしてしまう可能性が常にあります。悪いことをしてしまったときにどうするのかということです。
ルールを破ってしまったり、あるいは、ルールに触れそうになったことが発見され、指導を受けるときに、人は弱いものですから、つい嘘をついてしまうことがあります。
清泉の指導は基本的に、皆さんに自分自身をよく振り返り、どうしてそのようになってしまったのか、自分の心の動きを見つめ直し、どうしたらよいのか、これからどう自分が変わっていくのかにつながるように導いていきます。
ところが、その大事な振りかえりのときに、嘘をついてしまう人がいます。嘘をついて、逃れようとしたいのでしょうか。悪く思われたくないという気持ちからなのでしょうか。理由はあるのでしょうが、とにかく噓をついてしまう。先生方は、あなたが悪い人だといっているのではありません。指導は、あなたは良い人なのに、やってしまったことが悪いことなので、そこに注目して、振り返って、自分自身に向き合うことを求めているのです。より良い人になってほしい、新しい人になってほしいとの思いからなのです。
私たちは、ピノキオのように、嘘をついたら鼻が伸びていくなどということは起こりません。嘘をついたら、何が起こるかというと、嘘はやがてつじつまが合わなくなりますから、嘘をますます重ね、しまいには、自分自身が嘘をついていることさえわからなくなってしまいます。恐ろしいのは、自分を正当化することによって、周りの人を傷つけ、自分自身が知らないうちに、自分をも傷つけてしまうのです。そのようなことを繰り返して大人になってしまうことがないように願うばかりです。
