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校長講話
202509.24
2025年9月18日校長講話
あるハンバーガーチェーンの子供向けのおまけ付きのハンバーガーセットのことが社会問題になっているのは知っていますか。
おまけのカードを転売することを目的に、買い占めてしまう人がいます。ハンバーガーのお店は、このお店でハッピーセットと呼ばれている、ハンバーガーセットを買った子供たちに喜んでもらう意図が本来あったのでしょう。もちろん売り上げが多少上がることも期待していたかもしれません。
ところが、カードの希少性に目を付けた人たちが、買い占めをし、楽しみにしていた子供たちに行きわたらなくなってしまうことになりました。会社も販売するうえで対策をすることになり、対面販売のみと販売数の制限を設けるなどをしているようです。
では、買い占めた人たちはなぜそうまでして手に入れたいかといえば、限られたおまけのカードなので、どうしても欲しいという人がいると、転売することで、ひと儲けできるからです。買い占めをする人は、欲しいからではなく儲けたいからです。同じようなことはコンサートのチケットや人気のスポーツの試合のチケットでもおこっています。
そして、さらに今回のハッピーセットの問題は、買い占める人の中には、おまけだけが目当てなので、大量に買ったハンバーガーを捨てているそうです。インタビューで、そのハンバーガー店に勤める人が、おいしく食べてもらいたくてハンバーガーを作っているのに、捨てられるのは悲しいと言っていました。
また別の視点で言えば、もっと広い視野で見れば、この世界には、飢餓で苦しんでいる、栄養失調で苦しんでいる人たちまでいるのに、豊かな日本では食べ物を捨てているのです。
ハンバーガーのお店が、ハッピーセットを売り出すことで、もちろん売り上げが多少上がることも期待していたかもしれませんが、でも、本来の意図は純粋に子供たちを喜ばせたいところにあったのではないかと思います。なぜなら、その会社が単にお金儲けさえできればよいと考えている会社ではないと思われるのは、子供たちのための社会貢献活動も積極的にしているからです。
私たちの社会は人々の見えない善意によって成り立っています。このハッピーセット問題をひとつの考える機会として、私たちはどうあるべきかよく勉強してほしいと思います。