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清泉メッセージ

201306.17

No4「因果俱時(いんがぐじ)とは」

No4.jpgみなさんは、日本最大のコーヒーチェーン「Dコーヒー」を知っていますか?創業者の鳥羽博道さんがDをはじめた経緯を何かで読んだことがあります。「コーヒー」というものだけでなく、「カフェ文化」を日本に根付かせたいという志を語っていらっしゃったのが強く印象に残っています。

その鳥羽さんが座右の銘としていたのが、「因果俱時(いんがぐじ)」という言葉です。「因果俱時」とは、もともと仏教の言葉で、「因」は原因、「果」は結果、これがともにあり、必ず一致するという意味があるそうです。似た言葉に「因果応報」があります。いろいろな原因を積み重ねてきた結果として今があるということです。

鳥羽さんが言う「因果俱時」という言葉から私たちが学ばなければいけないことは、現在の自分は、過去の積み重ねのなかにあり、未来の結果として「こうなりたい」と思うことがあるのなら、その原因となることを日々やっていこう、という考え方だと思います。それはつまり、自分のやってきたことの結果に対して責任を持つ、ということです。

自分のやったことには必ず何かの結果が生まれると思います。その結果に対して、私たちは常に責任を取る覚悟を持っているでしょうか。たとえば、今回の中間考査で、思わしくない結果になってしまったとき、「先生の教え方がいけない」とか「ほかの教科の勉強が忙しかった」など、ついほかに責任を求めたりしていませんか?ものごとの結果を他人のせいにすることを「責任転嫁(せきにんてんか)」と言いますが、これは「因果俱時」の反対にある言葉とも言えます。

スポーツにおいてはそれが顕著に現れます。ゴルフでは、やったこととその結果が大変にはっきりしていて、ボールを打っただけの距離と方向にしか飛びません。いい結果も悪い結果も自分の責任を考える訓練に向いているスポーツだと思います。対人競技では、「相手の調子がよかった」「あれは審判が悪い」など、結果の原因をいろいろなことに求めることができてしまいます。責任転嫁や言い訳をしそうなとき、「因果俱時」と口にしてみましょう。

そもそも社会というのは複雑で、実際自分のせい以外でうまくいかないこともたくさんあります。それをあえてそうとはとらえず、自分が1日1分1秒を無駄にしているのではないかと常に自分自身に責任を求めたからこそ、鳥羽さんは経営者として成功したのだと思います。

「因果俱時」という言葉をとなえることで、「自分はちゃんといい結果を生み出す原因となるような活動をしているのか」という問いかけが常に自分自身になされます。自分をいましめ、鼓舞する言葉として、特に、人のせいにする癖がついてしまっている人にとっては、覚えておきたい日本語ですね。

(写真と本文とは関係がありません)

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