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清泉日記

202006.06

No.445 感謝祭・聖母奉献式vol.1

感謝祭・聖母奉献式vol.1

 本校が大切にしている宗教の行事「感謝祭・聖母奉献式」は、毎年体育館で執り行われています。今年は「祈りの会」として放送で行われました。その時のクラス委員長のメッセージを紹介します。

 「こんにちは。クラス委員長の荻原です。約二か月ぶりに学校が始まりました。この1週間どうだったでしょうか。中学1年生、高校1年生は初めての感謝祭・聖母奉献式ですね。聖母月の5月、全校生徒は聖母マリアの徳に習い4週間にわたって各週の目標を達成できるように過ごします。そして、月末の感謝祭・聖母奉献式で実行と祈り、決意を1輪の花に託して奉納します。残念ながら今年は、新型コロナウィルスの影響で例年通りには出来ませんでしたが、全体の実行目標を決め、各自実行に努めて頂きました。目標は達成できたでしょうか。

さて、ここで実行目標を振り返ってみましょう。今年度の実行目標は”Love others as you love yourself”― 「隣人を自分のように愛しなさい」でした。この実行目標を踏まえ、私は「世界の様々なニュースをチェックする」という目標を立てました。他者を思う心が愛することに繋がり、そうした時に家族や友達だけでなく世界中の人が隣人なのではないかと思ったからです。この目標を立てるきっかけになった出来事があるのでご紹介します。

今年3月、私はカーリングの世界選手権に、ロコ・ソラーレ(平昌オリンピック銅メダル日本代表チーム)の補欠として出場するためにカナダへ行きました。バンクーバーに到着して乗り換えを待っていた時、大会中止の連絡が入りました。大会の2日前でした。コーチと私はとりあえず現地のメンバーと合流するため、プリンスジョージという都市に向かいました。ハードな練習やトレーニングを積み重ねてきたアスリートにとって、大会中止は「今までの苦労は何だったのだろう」と自己否定してしまう出来事です。乗り換えた飛行機の中で考えることと言えば、みんなにかける言葉。何も思いつきませんでした。しかし、合流すると彼女たちは私に、「大変だったね」や「コーチを連れてきてくれてありがとう」など、ねぎらいの言葉をかけてくれました。また、日本から取材に来た記者やテレビクルーの為に、現地でカーリング大会を開き、初心者のために講師を買って出て、丁寧に教えていました。私はただただ彼女たちの人としての強さを目の当たりにして帰国しました。

私は特別な訓練が人を強くするとは思いません。今出来ることを、少しずつでも昨日より出来るようになるとか、周りの人への感謝の気持ちや思いやりを持つことで、人は強くなれるのではないでしょうか。私は他者を思う温かい心のつながりが、この危機を乗り越えるきっかけになると思います。私たちは東京オリンピックの延期、夏の高校野球の中止など、ウィルスを前に無力さに呆然としています。誰も経験したことのないウィルスとの闘い。いつ終わりが来るのでしょうか。

先々、様々な困難や壁にぶつかるかもしれません。でも、「あの時頑張ったからきっと大丈夫」と言える「今」を作っていきましょう。先の見えない時代にいますが、皆で前を向いていきましょう。ここで改めて、一人ひとりが隣人を自分のように愛し、思いやりや感謝を忘れず、助け合って過ごすことが出来ればいいなと思っています。皆さんが、これからも健康で充実した学校生活を送れるよう心より祈っています。これで私の話を終わります。」

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