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清泉メッセージ

201310.25

No19「『一番のボランティア』とは」

P1010517.JPG池間哲郎さんという方がいます。沖縄県生まれの59歳。これまで、ずっとアジアの国々の子どもたちのために井戸を掘ったり、学校を建てたりしてきました。今日は、その池間さんが数年前に講演会で話されたことを、皆さんにお話します。ビデオ会社を経営されているということで、大きなスクリーンに映像を映しながら、語られました。

フィリピンの首都マニラ、その中にある広大なゴミ捨て場。その中に大勢の人たちが暮らしています。ダンプカーが、ザザーっと運んできたゴミを捨てます。すると子どもたちが駆け寄ってきて、ゴミの中からビンなどを拾い集めます。一日必死で探して、売って、数十円にしかなりません。

小学生にもいかない年齢の子もいます。環境は悪く、食べ物がないだけではありません。靴も買えないので裸足で歩きます。当然ガラスの破片などでケガをします。傷口からばい菌が入り、破傷風などの病気にかかったりもします。大人になれないまま亡くなってしまうことが普通にあるそうです。

池間さんのお話はまだまだ続き、女の子に生まれたために身売りされてしまう少女。空腹をまぎらわせるためにシンナーを吸う少年。・・・。私は知らなかった事実に圧倒され続けました。

講演会の最後の方で、池間さんは、「今から、お話を聞いてくださった皆さんに一番伝えたいことを言います。」と言われました。

私は、その瞬間、こう考えました。もう少し、アジアの子どもたちの置かれている現状をよく知り、自分たちに何ができるのかを考えてみてください、と言われるのかな、と。それは違いました。「まず、自分たちが一生懸命に生きることです。」と語られたのです。

池間さんは著書のなかでもこう語られています。「子どもたちの話をして、映像を見せて、かわいそうだから助けてちょうだいと言っているのではないのです。誤解しないでください。一番大切なボランティアは自分自身が一生懸命に生きることなのです。一生懸命に生きる人じゃないと、人の痛みや悲しさは伝わってこないと思うのです。誰かのため、人のためではなく、自分自身が懸命に生きる。それが私たちにできる一番のボランティアなのです。」

(写真と本文とは関係がありません。)

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