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清泉日記

201210.11

No15「放送朝礼講話 分けあう」

 今日は「分けあう」ということについてお話したいと思います。池間哲郎さんはアジアの貧しい子供たちを支援し、彼らのために学校を建てるなどのボランティアをしています。アジアを訪れたとき、道端やゴミ捨て場、マンホールで生きる子供たちの存在を知り、何かしなくては、という思いから活動を始めたそうです。なぜマンホールで暮らしているかというと、そこには家々を温める温水管があって、その管にだきついて寝れば少しは暖かいそうです。しかし、ねずみにかじられたり、死ととなりあわせの場所なんだそうです。

1011.jpg 池間さんは子供たちが「一度でいいからおなか一杯たべてみたい」というのを聞いて、ある日、子供たちをピクニックに誘い、池間さんのおごりで、子供たちが見たこともないようなお弁当をプレゼントしました。お弁当を開いた子供たちは大喜び!しかし、皆蓋を閉じてしまい、食べようとしません。理由を聞くと、「持って帰って親や兄弟、仲間と分け合って食べたい」というのです。子供たちはいつもおなかを空かせているというのに。池間さんはこの出来事から、幼かったころ、親御さんが結婚式ででたごちそうを持ち帰ってくれて、家族で分け合って食べたこと、そのお土産が何よりおいしかったことを思い出したといいます。

 このエピソードを読んで、今の時代はものが豊富だったり、衛生面の配慮から、持ち帰って分けたりすることは少なくなったなぁと感じました。その一方で、分け合って食べることのおいしさ、そして喜びを思い出しました。きっとそれは、おいしさだけでなく、「誰かが自分を覚えていてくれて、分けてくれることのうれしさ」も喜びを増したのだと思います。

 「分けあう」ということは「誰かほかのひと」のことを大切にしていないとできません。「分けあう」という行為は、ほかの誰かを愛する行為なのだと思います。そして分けあって喜ぶ相手をみて、自分もうれしい気持ちになります。それは自分も大切にすることなのです。

 身近な人と分け合うことから始まって、遠くはなれた世界の見知らぬ人と分け合うこと、そして、物を分け合うだけでなく、心も分かち合うことができたらいいですね。

(2012年10月6日、放送朝礼講話より、写真:池間哲郎氏、NPO法人アジアチャイルドサポートHP、http://www.okinawa-acs.jp/ikema.htmlより転載)

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