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清泉メッセージ

201701.26

No121「どうして理科が好きになったのか」

20170126nioku.jpg今日は私が「どうして理科が好きになったのか」について、お話ししたいと思います。私は生物分野を専門としていますが、今日は地学、物理分野の話題からです。

皆さんは『「この宇宙がどのようにしてできたと考えられているか」ご存知ですか?』それは「ビッグバン」と呼ばれる大爆発が起こったからだと考えられています。ビッグバンが起こったと、どうして考えられるようになったかというと、それは地球から観察される天体がどんどん遠ざかっていく様子が確認されたからです。宇宙は誕生以来、広がり続けています。遠ざかっていく前は、近くにあったと考えられるわけですが、すべてのものがとても近くにあり、小さな小さな「 点 」だったとき、爆発してすべての空間ができ、以来、広がり続けている。これがビッグバンという考え方です。

では、このビッグバンがいつおこったのか?これも観測から推定されています。地球から観測できる最も遠くにある天体からやってくる光。この光が地球に届くまでに、その性質を変化させることに注目して計算します。そこから推定された時間がおよそ138億年前。光は1秒間に地球を7周半します。光の速さで一年間に進む距離が、1光年です。宇宙には少なくとも、およそ138億光年の空間が広がっていることになります。みなさんはここまでの話を聞いて、どんな感想をお持ちになりましたか?

私もいくつかの感想を持ちます。まず、登場する数字の大きさに単純に驚きます。また、それぞれを導き出した考え方の道筋に感動します。さらに、聖書の最初のページに書かれている「光あれ」と「ビッグバンの爆発」はそんなに遠いものではないなと考えたりもします。そして、人間がとても小さな存在であることを思い知らされます。

私はこういった自然現象に触れたり、その知識を得たときに、自分の感性を刺激してくれる理科が好きになりました。…といっても、このように言葉にまとめることができるようになったのは、学生のときではなく、むしろずっと後のことです。

同じ理科の教員でもあった宮沢賢治は、ジョバンニが宇宙を旅していく「銀河鉄道の夜」、タカの仲間(ここでいうタカとは鳥のタカのことですが、)タカの仲間から認められず、太陽や夜空の星に近づきたいと願ったヨタカを描いた「よだかの星」といった作品を残しています。

また、近年、合唱コンクールで、谷川俊太郎作詞の「二十億光年の孤独」が、2度、歌われました。タイトルの20億光年という距離は、当時の宇宙の広さを示す値で、現在で考える138億光年と同じ意味を持っていました。原作の詩を読むと、谷川さんは広い宇宙空間に、人類以外の存在(火星人)を想像したり、どんどん広がっていく宇宙に孤独を感じたりしています。私は宮沢賢治や谷川俊太郎が、宇宙のあり様から思い描いた、これらの作品の世界観に共感します。

さて、自分の世界を広げてくれるのが、各教科の学習だと思います。そして、自分がそこから何を感じるのかが、何より大切なところです。他人が代わりに感じることはできないので、受け身だとそれを面白いと感じることも「ない」、というのも当然です。

現在、谷川俊太郎は85歳。16歳で詩を書き始めた谷川さんが、「二十億光年の孤独」を書いたのは19歳のとき、今のみなさんに近い年齢のときでした。これからの中学や高校生活で、また、進学されたその先で、 みなさんに教科との素晴らしい出会いがあることを願っています。

(1月26日放送朝礼より。写真: 今年度合唱コンクールより、「二十億光年の孤独」を歌う)

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