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校長講話

202107.28

校長講話_NO.190「立花隆さんのこと、その2」

 4日間の清泉祭が、この時季としては天候にも恵まれて終了しました。開祭式で、「コロナ禍の中での清泉祭、皆さんの『工夫』と『挑戦』に期待する」と言いましたが、様々な場で皆さんの「工夫」に触れ、「挑戦する姿」を見ることが出来ました。

 先週は立花隆さんが亡くなったことを話しましたが、今朝は皆さんに是非読んでほしい立花さんの本を一冊紹介します。

 今年は2021年、皆さんは21世紀生まれです。私は20世紀半ばの生まれですが、20世紀には、人々は漠然と21世紀になったら、世界はもっと良くなる、と信じていたような気がします。例えば、国と国が争う戦争、国の中の内戦などはなくなる、人々の平等が実現する、などなど。ところが、21世紀も5分の1が過ぎてみると、「果たして21世紀は20世紀よりも良い世紀なのだろうか。」と思わせられることがあります。地球温暖化は加速度的に進み、貧富の差は益々拡大し、国家間の争い、内戦は今も続いています。

 皆さんに読んでほしい本は、立花さんが1983年、今から40年ほど前に書いた『宇宙からの帰還』という本です。何人かの宇宙飛行士を訪ね、インタビューしたことが中心の内容です。この本を読むと、環境問題、国家間の争い、今なお問題となっている事柄への新たな視点が得られます。「私たちのしていることは、一体、何なのか。」と自分たちの行動、意識を振り返らざるを得ません。印象深い宇宙飛行士の言葉を2つ紹介します。

 一つ目です。「宇宙から見る地球は本当に美しい。宇宙飛行士がみないうことだが、ほんとに美しい。しかし同時にそれが汚されつつあるというのもほんとなのだ。(少し略します。)ロスアンゼルスのスモッグ、デンバーのスモッグ、東京のスモッグなど、世界的に有名な大気汚染は肉眼で観察できた。それは実に悲しい眺めだ。地球全体が美しすぎるほど美しいだけに、そういうシミのような部分の存在を目にするとほんとに悲しくなる。」

 もう一つ。「宇宙からこの美しい地球を眺めていると、そこで地球人同士が相争い、相戦い合っていることがなんとも悲しいことに思えてくるのだ。どんなに戦ってもお互い誰もこの地球の外に出ることはできない。」

 今朝は『宇宙からの帰還』という本を紹介しました。

宇宙からの帰還 立花隆.jpg

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