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校長講話

201503.25

校長講話_18「卒業生へのはなむけの言葉 ~中学卒業式式辞より」

IMG_9010.JPG 様々な命の躍動する春のこの日、今年もこのように長野清泉女学院中学校の卒業式を行えることを、心から感謝致します。

 中学3年生の皆さん、卒業おめでとうございます。皆さんは、人生の春の3年間を、この長野清泉女学院中学校でお過ごしになりました。私は、皆さんの成長した姿に接する度に、とても頼もしく思っています。

 保護者の皆さま、本日はおめでとうございます。子供たちは、自分の力だけで成長することは出来ません。この様にたくましく育ったのも、保護者の皆さまの大きな愛があったからこそと、感謝致します。

 ご来賓の皆さま、いつも本校を暖かく見守って下さっていることに、感謝申し上げます。また、本日はお忙しい中、卒業式に御臨席を賜り、誠にありがとうございます。

 今日は、2つの英語の単語のことをお話ししたいと思います。それは、spirit,「精神」という語と、stand,「立つ」という語です。清泉中学を卒業する皆さんは、はつらつとしたspirit,「精神」を持って、自分の足でしっかりと、stand,「立って」ほしいということをお話しします。

 その前に、今は春ですので、springという単語について、少しお話しします。springには「春」という意味の他に、「ばね」、さらに「泉」、清泉の泉ですね、などの意味があります。「春」、「ばね」、「泉」には一見つながりがないように思えますが、「春」と「ばね」と「泉」には共通点があります。何だと思いますか。・・・

 共通点は「躍動」です。「春」はまさに命が躍動する季節です。「ばね」は飛び跳ねます。「泉」も大地から湧き出す、ほとばしり出ることから、躍動を感じさせます。発音と意味の間に関係がある語を音感語、音の感じの語、と言います。springの様に、spで始まる語は、今お話しした様に、「躍動」を感じさせると言われています。他には、「短距離競走」のsprint,「水をまき散らす」のsprinkle,「火花」のspark,「スピード」のspeed,などがあり、躍動、いきいきと動くという感じが伝わって来ます。

 さて、最初に挙げた二つの単語についてです。一つ目は「精神」を表すspiritです。精神とは肉体と対になる言葉ですね。精神を表す英単語、spiritも先程のspringと同じようにspで始まっています。私には、このことがとても印象的です。英語では「精神」,spiritは躍動するものと考えられています。私は皆さんに是非、躍動する精神を持ってほしいと思います。生き生きと躍動する精神とはどのようなものでしょうか。もう少し易しい言い方をすれば、生き生きとした心、と言ってもいいかもしれません。

 昨年秋に、皆さんと面接をしましたね。皆さんの一人が次のようなことを話してくれました。自分は数学が好きです。そして、数学者にも興味を持ち、数学者についての本を読んでいます、とおっしゃいました。数学者について調べれば、一人一人の数学者の人生の様々な面が見えてくることでしょう。数学の授業では学べない色々なことを考え、そこから思もかけない疑問が湧いてきたり、物事について全く新しい見方が出来るようになったりするかもしれません。その時、その人の精神は生き生きと躍動していると言って良いでしょう。

 別の方は、化学が好きで、元素記号を見ていると、すごいな、不思議だなと思い、どんどん興味が湧いてくると話してくれました。私はこうしたお話を聞くと、生き生きとした心というものを感じます。ある教科を学ばなければならないから、学ぶのではく、対象に皆さんの心が好奇心を持って駆け寄っていく、そんな学びをすることが、生き生きとした心を持つということではないでしょうか。

 次に二つ目のstand,「立つ」という語についてお話しします。中学校を卒業する皆さんは、この3年間で様々なことを学び、自分の足でしっかりと「立つ」準備をしてきたことでしょう。stand,という語は「強い」のstrong,「石」のstone,と同じstで始まる語です。もうお分かりだと思いますが、stで始まる語には、「強さ、安定」を感じさせるものがあります。一歩踏み出す時のstepもそうですね。
 長野清泉女学院中学校を卒業する皆さんには生き生きとした、躍動する精神を持って、自分の足でしっかりと立ってほしいと願っています。

 最後に聖書の中のイエスのたとえ話を紹介して、私の話を終わりにします。マタイによる福音書13章3節から8節をお読みします。
 イエスはたとえを用いて彼らに多くのことを語られた。「種を蒔く人が種蒔きに出て行った。蒔いている間に、ある種は道端に落ち、鳥が来て食べてしまった。ほかの種は、石だらけで土の少ない所に落ち、そこは土が浅いのですぐ芽を出した。しかし、日が昇ると焼けて、根がないために枯れてしまった。ほかの種は茨の間に落ち、茨が伸びてそれをふさいでしまった。ところが、ほかの種は、良い土地に落ち、実を結んで、あるものは百倍、あるものは六十倍、あるものは三十倍にもなった。」

 さて、「良い土地」とは、肥えた土地のことです。肥えた土地というのは土の中で様々な微生物が活発に動いたり、植物が根を延ばしたりと、私たちには見えませんが、命が躍動しています。最初にお話しした活発に働く精神を思い起こさせます。と同時に、大地でありますので、皆さんのstandやstepを支えるどっしりとしたものです。イエスの言う「良い土地」とは内部に生き生きとした躍動する命を持ち、外部にはどっしりとした安定感を持っています。イエスはその様な土地で、種は実を結び、あるものは百倍に、あるものは六十倍に、あるものは三十倍に育つと言っています。

 皆さんが豊かな土地になるよう、自らを耕していくことを願ってやみません。

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