長野清泉女学院中学・高等学校 | ひとり一人、花を咲かせる6年間

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校長講話

校長講話_NO.168「中村哲さんの遺したもの」

2020年12月21日

 クリスチャンで医師の中村哲さんが、ご自分の大好きな国だったアフガニスタンで凶弾に倒れてから、12月4日で早1年が過ぎました。現地はもちろん、日本でも中村さんの生き方は、語り継がれています。

 今朝は、中村哲さんが遺したもののうち、2つのものについて述べてみたいと思います。一つ目は、希望です。彼の愛したアフガニスタンに希望を遺しました。医療体制を整え、さらに人々が自給自足し自立できるように砂漠を緑の土地に変えることに生涯を賭けました。最近の報道で、以前の砂漠と、その砂漠が緑豊かな農地に変った様子が映されましたが、まさに希望が形をとるとはこういうことを言うのだと思わせられる光景でした。

 中村さんが遺したもう一つのものは文章です。「文は人なり」という言葉があります。彼は作家でも評論家でもありませんが、その文章は読む人の心をしっかりとつかみます。何故あれほどアフガニスタンという国を愛したのだろうか。次の文章があります。

「ここには、私たちが『進歩』の名の下に、無用な知識で自己を退化させてきた生を根底から問う何ものかがあり、むきだしの人間の生き死にがあります。こうした現地から見る日本はあまりに仮構にみちています。人の生死の意味をおきざりに、その定義の議論に熱中する社会は奇怪だとすらうつります。」

 今は天国におられますが、私たちは何度でも中村さんの遺した文章を読み返すことが出来ます。彼が今このコロナ禍の世界、そして日本を見たらなんと言うだろうか、また、どのような行動を取るだろうか、と思うことがあります。中村さんの本を読みながら、そのような自問自答を繰り返すことは、いまの状況の中でどう過ごし、コロナが終息した後、どのような歩みをするのか考える上で大切なことだと私は思っています。図書館にも中村さんの本は入っています。この時期だからこそ中村さんの遺した文章に是非触れてみて下さい。

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本校からの風景(12月18日撮影)

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